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第23回 2変数関数の極値のまとめ [偏微分]

第23回 2変数関数の極値のまとめ


これまで2変数関数の極値の求め方について説明してきましたにゃ。

で、ここで改めて2変数関数の極値に関する定理をまとめて書くにゃ。

まず、極値(極大値、極小値)の定義から。

関数f(x)=f(x,y)の定義内の点をa=(a,b)とする。正の数δを適当に小さくとれば、fの定義内の点xに対して、


になるとき、fは点aで(狭義の)極大という。


になるときfは点aで(狭義の)極小という。

ここで、斜体字のxx=(x,y)a=(a,b)だと思ってくださいな。斜体の太字は、ベクトルを表すんだにゃ。


で、次は2変数関数の極大・極小の判定に関する定理。

定理 (2変数関数の極値の判定)
関数f(x,y)を開集合Uで定義された関数とする。

(1)fが偏微分可能なとき、fが点(a,b)で極値をとるならば、

である。この条件を満たす点(a,b)停留点という。
(2)fが級の関数とする。点(a,b)が停留点ならば、


とするとき、


である。


極値の判別式であるDは、基本的に2次方程式の判別式と同じものなので、本によっては

で定義しているものがある。このとき、D<0になる時に極値が存在することになるので、ここは注意して欲しいにゃ。


2次不等式のところで、


としたとき、すべての実数でf(x)>0がになるとき、


になるという話をしたけれど、これと基本的に同じなんだにゃ。


判別式のacの前の係数が14で違うじゃないかと疑問に思うかもしれないけれど、極値の判定のときは


の時の判別式になっていて、


になるので、


になる。判別式で欲しいのは、正負の符号と、それが0になるかどうかだから、このD/4も判別式と呼ぶんだにゃ。

つぎは、f(x,y)で定まる陰関数y=φ(x)の極値に関する定理。

定理 (f(x,y)=0で定まる陰関数の極大・極小)
f(x,y)
級の関数、y=φ(x)f(x,y)=0で定まる陰関数であるとする。このとき、このときy=φ(x)aで極値b=φ(a)をとるならば、


であり、


である。

何でこうなるかは、極値をとる点(a,b)では


となり、極大のとき


で、極小のとき


となるから。
「−」がかかっているので、0との大小関係が変わっていることに注意して欲しいにゃ。



最後にラグランジュの未定乗数法の定理。

定理 (ラグランジュの未定乗数法)
f(x,y)
g(x,y)級関数とする。条件g(x,y)=0f(x,y)が極値をとる点(a,b)では、定数λがあって、次が成り立つ。



これも本によったら、

となっている場合があるので、注意をして欲しいにゃ。

式の形が少し違っているから面食らうかもしれないけれど、この2つの式は同じ内容を表しているにゃ。

この3つの定理を知っていれば、2変数関数の極値問題は、とりあえず、解けるはずだにゃ。

 

これまでにも何度も出てきているけれども、級関数というのはn回(偏)微分できて、その(偏)微分した関数が連続である関数のことね。

や三角関数、指数関数、対数関数は何回でも微分できて、その微分した関数は連続だから、理論的な問題以外では、級なんて気にすることないにゃ。



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第22回 違う方法で解く [偏微分]

第22回 違う方法で解く



問題1 のとき、x+yの最大、最小値を求めよ。

【別解1】

x+y=kとおき、y=k–xに代入する。


xは実数なので、上のxの2次方程式は実根を持たなければならないにゃ。

で、判別式を使うと、

でなければならない。

よって、最大値は√2、最小値は−√2

【別解2】

なので、x=cosθy=sinθとするにゃ。

よって、最大値は√2で、最小値は−√2


この他にも解答は幾つか考えられるけれど、このあたりが代表的なものなんだろう。
ちょっと毛色の違う解答を示すならば、コーシー・シュワルツの不等式

をつかって、

とすることもできるにゃ。



問題2 のとき、の最大値と最小値を求めよ。
【別解1(?)】


だケロ。

ここで、相乗平均≦相乗平均

を使うにゃ。

とすると、

だから、

となるにゃ。

で、


なので、


となる。

等号が成立するときは

なので、

それで、

このことから、

となり、・・・。
相乗平均≦相加平均を使うときは、これを満たすxとyなどの値が存在することを示さないといけないにゃ。問題によっては、そんなxとyが存在しないことがあるので。


【別解2(?)】


として、


と正弦関数の2倍角の公式を使ってもいいにゃ。

そうすれば、

というのがすぐに出てくるケロ。

だから、・・・。

前回やった程度の問題ならば、ラグランジュの未定乗数法や微分積分すら使う必要がないんだにゃ。


「ラグランジュの未定乗数法をどのように使うか」の練習問題だったワケなんだにゃ。

という制限がついている時、x=acosθy=asinθとすると、1変数関数の最大、最小問題に直せるので、こうした方が一般的に計算や議論が楽だにゃ。


ならば、x=acosθy=bsinθとするにゃ。
のときは、

と考え、


とすればいいにゃ。



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第21回 ラグランジェの未定乗数法 [偏微分]

第21回 ラグランジェの未定乗数法


たとえば、x+y=1のとき、

  

の最小値を求めよという問題があるとするにゃ。

これやy=1–xとyを消去すれば、
  

となるので、x=(y=)1/2のときに最小で、最小値は1/2となることがわかるにゃ。

微分を使って、
  

などから、最小値を求めてもいいにゃ。

だけど、
のとき、の最小値を求めよ

というような問題だと、xやyを消去してというわけにはちょっといかない。


しかし、ラグランジェの未定乗数法という方法を使うと、こうした制限付きの極値問題や、最大値・最小値の問題を解ける場合がある。

だから、ねこ騙し数学においても、ラグランジュの未定乗数法をやろうじゃないか、という訳だにゃ。


仮にφ(x,y)=0という制限がついていたとするにゃ。φ(x,y)級で、ならば、陰関数定理より、φ(x,y)=0で定まる陰関数y=ψ(x)が存在するにゃ。

だとすれば、
  

となり、これをxで微分すれば

  

で、陰関数定理から

  

となるから、

  

となるにゃ。

で、g(x)x=aで極値をとるとするとg'(a)=0なので、b=ψ(a)とすると、

で、

  

とすると、

  

さらに、ならば、

  

となり、

  

も成立するにゃ。

  

が成立するのは、(A)より

  

となり、なので、

  

で、

  

でもある。

未知数はa、b、λの3つ、方程式は①、②、③の3本だから解けるはずだ、というわけだケロ。

本当に、このラグランジュの未定乗数法で解けるか、最初の例でやってみるにゃ。

  shiki-21-01.png

とするにゃ。

で、

  shiki-21-02.png
として、これをxyでそれぞれ偏微分すると、

  shiki-21-03.png

となるにゃ。

この上の式を下の式で引けば、x=yになるので、x+y–1=0と合わせれば、x=y=1/2となり、このことから、f(x,y)の極値(?)が

  shiki-21-02.png
という訳だにゃ。



問題1 shiki-21-05.pngのとき、x+yの最大値と最小値を求めよ。
【解】

  shiki-21-06.png
として、ラグランジュの未定乗数法を用いる。
  shiki-21-07.png

よって、

  shiki-21-08.png

これを

  shiki-21-05.png

に代入すれば、λは出てくるけれど、欲しいのはλじゃなくて(x,y)だから、x=yを使えば

  shiki-21-09.png

となり、このことから

  shiki-21-10.png

となり、x+yの最大値が√2、最小値が−√2であることがわかるにゃ。



問題2 shiki-21-11.png のとき、shiki-21-12.pngの最大値、最小値を求めよ。
【解】

  shiki-21-13.png

とするにゃ。

  shiki-21-14.png

このことから、

  shiki-21-15.png

そして、

  shiki-21-16.png

④、⑤、⑥の連立方程式を解けばいいんだけれど、これは問題1の時と違ってちょっと厄介なんだケロ。

④から
  shiki-21-17.png
これを⑤に代入すると、
  shiki-21-18.png

この両辺に−2をかけて整理すると、

  shiki-21-27.png

になる。

で、
  shiki-21-20.png

ならば、これで両辺を割ることが出来て、x=0となり、そして、y=0となるにや。

でも、これは⑥式を満たさないから、
  shiki-21-28.png

でなければならない。
で、このλに関する②次方程式を解けば

  shiki-21-21.png

となるにゃ。

で、λ=−1を④に代入すると、
  shiki-21-22.png

これを⑥式に代入すると、

  shiki-21-23.png

λ=−5を④式に代入すると

  shiki-21-24.png

これを⑥式に代入すれば、

  shiki-21-25.png

となる。
この4つを

  shiki-21-26.png

に代入すれば最大と最小値は出てくるにゃ。

最大値は20、最小値は4になるはずだにゃ。

  shiki-21-29.png
の時が最大で20、

  shiki-21-30.png

の時が最小で4になるはずだにゃ。

線形代数なんかを知っている人は、④と⑥の連立方程式を解く時、これが(x,y)=(0,0)の時

  shiki-21-31.png
でなければならない、とするとオシャレにゃ。



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第20回 陰関数の微分2 [偏微分]

第20回 陰関数の微分

前回、f(x,y)=0によって定められるy=φ(x)の微分が

  

になるということをやりましたにゃ。


これをさらにxで微分するとどうなるか、これをやってみるにゃ。

  

とすると、

  

だから、

  

それで、

  

になるので、

uvu'v'を①に代入して、真面目に計算すると、

  
となるにゃ。


こんな式を覚える必要はないにゃ。


ただ、これを使うと、f(x,y)=0によって定められる陰関数y=φ(x)の極値の判定が便利になるにゃ。
というのは、極値になる点ではy'=0となるので、

  
よって、極値のところで、⑨は

  

になる。


だから、②式を使って陰関数y=φ(x)の極値の判定ができるというわけだにゃ。


 

ということで、これを定理とするにゃ。


定理
関数f(x,y)tとする。このとき、f(x,y)=0で定まるy=φ(x)x=aで極値b=φ(a)をとるならば、

  

さらに、

  
である。

これを使って前回の問題を解いてみるにゃ。


問題1

shiki-21-01.png

で定められる陰関数の極値を求めよ。


【解】
極値のところではf_x(x,y)=0にならなければならないので、

  shiki-21-02.png

これと、

  shiki-21-01.png

より、

  shiki-21-03.png
になる。

で、極値なる点では

  shiki-21-04.png

だから、

  shiki-21-05.png

となり、x=1/√3のところでは極小。

  shiki-21-07.png

x=−1/√3のところでは極大。

よって、

  shiki-21-08.png
となる。

前回の解答より計算量が減っていて、楽になっているんじゃないケロか。


これはf(x,y)の極値の問題ではないので、

shiki-21-09.png

から停留点を求めてはいけないにゃ。
今、やっているのは、f(x,y)=0で定まるy=φ(x)の極値を求める問題なので、混同をしないで欲しいにゃ。


問題2
  shiki-21-10.png

から定まるy=φ(x)の極値を求めよ。

【解】

これはさすがにy=ホニャララの形に表すことは難しいにゃ。
―――3次方程式には解の公式があるので、出来ないことはないが・・・―――
  shiki-21-11.png

として、

  shiki-21-18.png

から停留点を、まず、求めるにゃ。

  shiki-21-12.png

また、

  shiki-21-14.png

なので、x=0を代入して、上の方程式を解くと、

  shiki-21-15.png

になり、停留点は(x,y)=(0,0),(0,1),(0,−1)になるケロ。
で、

  shiki-21-16.png

よって、

  shiki-21-17.png

となり、

x=0y=0のとき、極小値で、x=0y=1x=0y=−1のとき極大値となる。

 


「ちょっと待った、⑨ネコ。この陰関数はx=0のところで、3つも値があるじゃないか。しかも、x=0のところで極大値と極小値を持ち、極大値の一つは−1で極小値の0より小さいじゃないか!! おかしいんじゃないか!!」


「だ・か・ら、前回、『これは厳密なことを言ったら関数じゃない』って言ったにゃ。陰関数というのは、結構、胡散臭いところがあるんだケロ。」



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第19回 陰関数と陰関数定理 [偏微分]

第19回 陰関数と陰関数定理


例えば、

  

という関数があるとするケロ。

で、f(x,y)=0のとき、

  

というふうにy=φ(x)と表すことができるにゃ。


また、

  

ならば、

  

と、やはり、y=φ(x)というふうに、yをxの関数として表すことができる。

 ―――厳密なことを言うと、①は関数ではないけれど・・・―――

こういう関数φ(x)を、f(x,y)=0で定まる陰関数と呼ぶケロ。

定義
f(x,y)=0に対して、関数y=φ(x)f(x,φ(x))=0を満たす時、y=φ(x)f(x,y)=0で定まる陰関数と呼ぶ。


で、f(x,y)級で、y=φ(x)微分可能ならば、合成関数の微分の公式から、f(x,φ(x))=0xで微分すると

  

となり、

  

のとき、

  

となる。

ただし、陰関数の微分dy/dxを求めるとき、必ずしも⑨四季を使う必要はないにゃ。
例えば、

  

の時は、yxの関数と考えて、1変数の微分をすればいい。

  

と計算すればよい。

ちなみに、
  

ね。


⑨式を使うならば、

  

となるにゃ。

で、①は関数じゃないと言ったにゃ。①の定義域は−1≦x≦1だケロ。x=±1の時以外、yは二つの値を持つケロ。例えば、x=1/2のとき、y=±√3/2だにゃ。関数というのは、xの値に対して1つの値しか持ってはいけないのに、2つの値を持っているので、

  

は関数じゃないんだケロ。

 ―――ねこ騙し数学では、複数の値を持つ多価関数を関数と認めていない―――

  


  

は関数なんだけれどね。

で、証明はしないけれど、陰関数定理を紹介するにゃ。


陰関数定理

関数f(x,y)が点(a,b)の近傍で級であり、
  

ならば、aを含む開区間I上の級関数φ(x)
  
を満たすものがただ一つ存在する。


紹介しただけにゃ。この定理の証明は、結構、面倒なんだにゃ。だから、この条件を満たす時、陰関数が存在するということだけを知っておいて欲しいんだにゃ。


この陰関数定理は、後で使うんで・・・。


問題 次の関数の定める陰関数y=y(x)の極値を求めよ。
  shiki-20-1.png
【解】
y
xの関数と考えて、xで微分する。

  

x+2y≠0のとき、

  shiki-20-3.png

極値をとるところではy'=0なので

  shiki-20-4.png
y=−2xshiki-20-1.pngに代入すると、
  shiki-20-5.png
で、極値の判定をするためにy''を求めたいにゃ。②式をxで微分すると、

  shiki-20-6.png

極値のところではy'=0なので、

  shiki-20-7.png
になるにゃ。

ということで、shiki-20-8.pngに対するy''の値は
  
shiki-20-9.png

となり、

  shiki-20-10.png


もちろん、

  shiki-20-1.png
yについて解いて、すなわち、
  shiki-20-11.png
として、xで微分して、極値を求めてもいいにゃ。
計算力のある人は、これを微分して同じ答になることを確かめて欲しいケロ。



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第18回 極値の判定法 [偏微分]

第18回 極値の判定法


級の2変数関数の判定法をやりますにゃ。


テーラーの定理より、(a,b)の近傍では

  

となるにゃ。

極値では

  

でなければならないので、

  
になる。

で、

  

とする。
そして、A≠0ならば

  

となる。

このことから、

h、kの値にかかわらず

  

になる。

hとkが十分に小さければ、

  

だろうから、

  

になるであろうというワケ。

A=0
のとき、これとは別な判定法を用いないといけない。

のとき、

  

とすると、

  
となり、F(1,0)F(B,−A)は異符号となるから、hとkによってF(h,k)は正負の値をとることになる。このことから、の時、極値にならない。

ということで、
  

  

としたとき、

  (1)A>0D>0ならば、極小

  (2)A<0D<0ならば、極大
  (3)D>0ならば、極値でない
ということになる。


問題1 次の関数の極値を求めよ。

  

【解】


(1)

  shiki-18-1.png

だから、x=y=0が停留点になる。

で、これが極値であるかどうかの判定をするために2階偏微分を求めると、
  shiki-18-2.png

となる。

  shiki-18-3.png

となり、

  shiki-18-3.png

となり、f(0,0)=0は極小値。

(2)

  shiki-18-5.png

なので、x=y=0が停留点。

  shiki-18-6.png

よって、

  shiki-18-7.png
  shiki-18-8.png

となり、点(0,0)f(x,y)は極値でない。

よって、極値は存在しない。

 


問題2 次の関数の極値を求めよ。

  shiki-18-9.png

【解】

  shiki-18-10.png

となる。
停留点は

  shiki-18-11.png
の連立方程式を解けば出てくるにゃ。
  shiki-18-12.png

このことから、(x,y) (0,0)(1,1)が停留点になることがわかるケロ。
で、2階偏微分を求めると、

  shiki-18-13.png

となるので、

  shiki-18-15.png

となる。
(0,0)
のときは、

  shiki-18-16.png

となり、極値でないことがわかるにゃ。

(1,1)のときは

  shiki-18-17.png

となり、f(x,y)はこの時に極小になることがわかる。

ということで、

  shiki-18-18.png

が極小値になるケロ。

z=x^3+y^3-3xy.gif



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第17回 2変数関数の極値 [偏微分]

第17回 2変数関数の極値


1変数関数の時に極値(極大値、極小値)の話をしました。

f(x)x=aで極大であるとは、aの近傍でf(x)<f(a)となることで、x=aで極小であるとは、x=aの近傍でf(x)>f(a)であること。

つまり、

  

となる正の数δが存在するとき、x=aで極大であるといい、、f(a)を極大値という。

で、

  

となる正の数δが存在するとき、x=aで極小であるといい、f(a)を極小値という。

これを2次元に拡大すると、2変数関数の極値(極大値、極小値)の定義は次のようなります。
  

となる正の数δが存在する時、f(x,y)(a,b)で極大であるといい、f(a,b)を極大値という。
  

となる正の数δが存在する時、f(x,y)(a,b)で極小であるといい、f(a,b)を極小値という。

ちなみに、

  


1変数関数f(x)のとき、f(x)微分可能であれば、x=aで極値になる時、

  

になる。

であるならば、2変数関数f(x,y)のとき、f(x,y)が偏微分可能であれば、(x,y)=(a,b)で極値になる時、

  

と考えるのは人情というもの。

そして、この予測は正しい。

定理
関数f(x,y)は点(a,b)で極値をとり、かつ偏微分可能であるとする。この時、
  
である。

 

【証明】

y=bで固定し、φ(x)=f(x,b)とする。このとき、x=aのときφ(x)は極値をとるので、φ'(a)=0である。すなわち、

  

x=aで固定し、ψ(y)=f(a,y)とすれば、

  

よって、

  


ところで、「f'(a)=0だから、x=aで極値になるとは限らない」という話を1変数の時にした。その代表的な例が

  

だ。

  

になるので、x=0のとき、f'(0)=0になる。
でも、は単調増加なので、x=0のとき、極大でも極小でもない。


これと同じように、
  
だからと言って、f(a,b)が極値になるとは限らない。

これはf(x,y)が点(a,b)で極値をとるための必要な条件だけれども、十分な条件ではないんだ。


例として、

  

という関数がある。

  

だから、点(0,0)

  

になる。
3次元なのでちょっとわかりにくいと思うんだけれど、こんな感じの図形になって、(0,0)のとき、極値にならない。




なのだけれど、

例2

  

のときは、(0,0)で極小になるゃ。
このことは、

  
だから、わかると思う。
ちなみに、この関数のグラフは次のようになる。



 
  
の前の符号が「+」か「−」で、極値の有る無しが別れてしまう。2変数関数の極値は、結構、厄介。
1変数関数の時、

  
という話をした。
これと同じように、2変数の場合も、2階の偏微分を使って極値の有る無し、極大・極小の判定ができる。


このことを次回にやる。

ちなみに、
  
となる点(a,b)のことを停留点と言うにゃ。
停留点だけれど、極値にならない点を鞍点という。

  
のグラフは何気なく鞍みたいだにゃ(^^)



第16回 テーラーの定理 [偏微分]

第16回 2変数関数のテーラーの定理


1変数関数の時、f(x)級ならば、y=f(x)が点aの近傍で
となることをやりましたにゃ。
より一般の級ならば

となりますにゃ。


ちなみに、n=1のときが、「平均値の定理」と呼ばれるもので、テーラーの定理は「平均値の定理」の自然な拡張になっているというこ話もしたにゃ。

で、今回の話は、2変数関数のテーラーの定理ですにゃ。

2変数関数のテーラーの定理
f(x,y)
級の時、点(a,b)の近傍で


これだと見づらいので、h=x–ak=y–bとすると、

となる。

さらに、微分演算子風に書くと

と書く。

どれも同じことを表しているのだけれど、
級の時、上に書いた二つの表記法だと大変なので、

と表記するのが一般的。


今回、一般の場合はやらないので、

となり、同じ内容を表しているということで十分ですにゃ。


この証明は、1変数のテーラーの定理を使って次のようにやるにゃ。

とすると、これは1変数の2階微分可能で、微分した関数F''(t)が連続な級の関数となる。

テーラーの定理より


となる。

x=a+ht,y=b+ktとすると、合成関数の微分より


真面目にF''(t)を計算してもいいのだけれど、G(t)=F'(t)と考えれば、
shiki-16-1.png

となることがわかると思うケロ。

で、この結果を⑨に代入すると、

となっている。


まっ、これで終わってもいいのだけれど、問題をひとつやってみるにゃ。

問題 次の関数の点(1,1)近傍のテーラー展開(2次)を求めよ。

shiki-16-5.png


shiki-16-3.png

になるので、




なんで、2変数関数のテーラーの定理なんてものをやりだしたかというと、2変数関数の極値、極大値か、極小値かという判定に2変数関数のテーラーの定理が必要なんだケロ。
1変数関数の時は、結構、テーラーの定理を使うんだけれど、2変数関数では、テーラーの定理はあまり使わない(^^ゞ。



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第15回 合成関数の偏微分の公式2(内容を付け足した) [偏微分]

第15回 合成関数の偏微分の公式2

定理A

関数f(x,y)が領域Dで全微分可能であり、関数φ(t)ψ(t)が区間Iで微分可能かつφ(t),ψ(t)∈Iであれば、合成関数F(t)=f(φ(t),ψ(t))は区間Iで微分可能で

  
が成り立つ。

z=f(x,y)x=φ(t)y=ψ(t)とすると、

  

プリミティブな考え方をするならば、z=f(x,y)は全微分可能なのだから、

  

となり、これをdtで割ると

  

になる。


物理なんかだとこれでいいんだろうけれど、駄目かこれで(^^
このキチンとした証明はそのうちにすることして、先に進もう!!


定理B
z=f(x,y)
が全微分可能なとき、x=x(u,v)およびy=y(u,v)u,vの微分可能な関数な関数ならば、合成関数f(x(u,v),y(u,v))u,vの微分可能な関数であって、

  

になる。

証明というほどのものではないけれど、uで偏微分するときはvは定数と考えて良いので、定理Aより
  

になるだろう。だけれども、これは偏微分なので

  

になるというわけ―――dを、さり気なく、∂にすり替える(^^ゞ―――。
同様に、
  

まっ、そういうこと(^^

では、問題を。

問題1 次の関数のを求めよ。

  


  



問題2 z=f(x,y)x=rcosθy=rsinθのとき、次のことが成り立つことを証明せよ。
  

(1)
  

(2)は、計算が面倒なのでパス!!


問題3 z=f(x,y)y=y(x)のとき、を求めよ。

  
この結果はちょっと不思議だろ(^^)


でも、微分と偏微分の違いがハッキリと現れてくる公式(?)だと思う。

これは、流体力学に出てくる微分なんだケロ。流体力学では
  

という形で出てきて、流体の運動方程式の加速度を表すんだ。一次元の流体の運動方程式を書くと
  

になるにゃ。
ρ
は流体の密度、μは粘度、uは流速、pは圧力を表す。
(1次元の)ナビエ・ストークス方程式と呼ばれるもの。


ねこ騙し数学で今回やった公式を使うことはないから、こんな公式があるんだということを頭の片隅にとどめておいてもらえば十分だケロ。



「今回は、手を抜き過ぎではないか」という批判を交わす目的で、内容を付け足したにゃ。


補足


とするケロ。
この関数のtの微分は、定理Aの公式を使うと、


になる。
でも、こんな公式を使わなくても、

になるので、

と簡単に計算することができる。


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第14回 偏微分の演習2(ラプラシアン) [偏微分]

第14回 偏微分の演習2(ラプラシアン)

2階偏微分可能な関数f(x,y)に対して

  
を対応させる写像
  
ラプラシアンという。
Δf=0
ラプラスの微分方程式、その解を調和関数という。

問題 次の関数が調和関数であることを示せ。


【解】
(1)
  
となり、調和関数である。

(2)
これは、まず、
  
になる。
  

で、
  

と置けば、合成関数の偏微分の公式が使える。
  

だから、

  
となる。
書くの面倒だし、計算するのも面倒なので、結果だけを記すならば、
  
となり、
  

こうした計算には技があって
  
だから、これをxで偏微分して
  

xをyにすり替えれば、
  
これを使うと、
  
xとyをすり替えれば、
  
と計算することができるにゃ。
そして、fの2階偏微分は
  

xとyをすり替えれば・・・・。